放浪の天才画家 山下清展

昨日、佐川美術館へ『放浪の天才画家 山下清展』へ行ってきた。
実は、4月12日に海津大崎の桜を見に行った帰りに行く予定にしていましたが、交通事故(追突当て逃げ)に巻き込まれ行けなくなってしまっていました。タイミング的に事故の保証金が本日入金されて全てが終わるというのと、昨日が最終日というのもあって行くことにしました。

母は昔、百貨店の催事場での展覧会を見たことがあるとのことでしたが折角だからと、興味の無かった姉もその後の予定が楽しみで一緒に行くことに。結局、3人が感激して帰ってきました。9:30開館に9:40に到着したら、もう満車寸前。入口に近い臨時駐車場に停めることができました。

チケット購入時に案内役の女性が他のお客さんに『最近の企画展の中では、一番人気です。』と耳にし、やはり山下清って魅力あるんだなぁとワクワク感が湧いてきました。入場券は大人は1,000円で、身体障がい者の姉がいたので姉と付き添いの私は半額割引だと思っていたら、3人で1,000円。係りの方が勘違いされているのだと思い、もう一度確認すると『障がい者と付き添いの方は無料になります!』と。これには驚きました。嬉しいやら申し訳ないやらの気持ちでした。

展示室の前では、既に行列が出来始めていました。生い立ちや初期の作品が並んでいます。特に驚いたのは、貼り絵を始めてから2,3年でレベルが恐ろしいほどに上達しているのはビックリしました。緻密でより繊細な作品になって行くのが目にしてわかる状態です。始めて間もない頃に、早稲田大学大熊講堂の展覧会で話題になり、銀座で個展が開催されたというのもわかります。

放浪癖が始まってからの作品と共に、彼の当時の言葉が添えられています。リュックサックの中に石ころを入れていた話や出あった人たちとの会話で感じたこと、綺麗な景色を見て思ったことなどです。彼の何気ない一言は、子供のように純粋でクスッと頬が緩む感じです。

私の時代の人なら、テレビドラマの『裸の大将放浪記』の影響が強くて、どうしても芦屋雁之助のイメージではないでしょうか? ドラマはかなりデフォルメされているようですが、今回 等身大の山下清を少し感じて思うことは愛される人柄であったことは間違い無さそうです。

アメリカの雑誌lifeで取り上げられたことで時の人となってしまった彼ですが、自由気ままな生活ができなくなり放浪をやめることを決意するところが少し淋しいというか可哀想な気持ちにもなった。お金に不自由がしなくなったなことや、1ドルが360円の時代に海外へ行けたりと他の人が出来ない経験をしましたが、彼本人はどうだったのかというのを感じました。でも彼はそれを受け入れたのか、海外へ行ったことで技術的な面でも上達しているのは作品を観てもわかります。彼の本心がどうだったのか知りたいところです。

最後に違った側面から見た感想として、彼はいじめられたり・バカにされたりもしましたが、彼の生きた時代は本当に良かったと思います。今の時代なら、子供に声をかけるだけでも不審者として通報される時代です。時には裸で放浪しても許され、旅先でおにぎりや仕事にもありつけたりで、その時代は彼にとっても救いでしょう。才能に関しては、誰もが認めたのも事実です。

今ならどんなに絵が上手くても、知的障がい者というだけで排除される時代です。放浪なんてしようものなら、施設は管理がどうたらと言われる悲しい時代です。彼ほどの才能がなくても、社会が関わりを持って見守れる時代に戻せればと思った次第です。

今回見た展覧会と同じだと思うのですが、見れなかった方や気になる方は、コチラの動画をご覧ください。